前回の「お寺を元気に」の具体例が聞きたいという要望を受け、「お寺DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実践編ということでお話しいただきました。「SNSやウェブサイトの重要性を訴える住職が多い割に実際に活用している人がほとんどいない」という指摘のもと、最低限スタートアップできるGoogleとLINEの可能性について説明がありました。
また、これらはあくまでも入り口であって、本丸はFacebookやTwitter、またゆくゆくはWhatsAppなどのアプリに慣れていってほしいというメッセージがありました。講義中に具体的にアプリケーションを操作し、寺族部会の連絡網を作成いたしました。今後参加可能な方はこの連絡網を活用したいと思います。
また、最後に余談として昭和31年の経済企画庁・年次経済報告白書の結語に触れられ、「もはや戦後ではない」という言葉はあまりに有名だが、その前後に使われていた言葉に「近代化--トランスフォーメーション」という言葉が盛り込まれていたことを指摘されました。つまり50年前からDXの素地はあったということ。まさに今、我々が変わらなければ時代にすでに50年、取り残されていたのと同じことである。とのことでした。
第12組教化委員会・広報社会事業部会の竹中氏より、「おテラを元気に」というタイトルでコロナ禍における寺院の実情を特に都市部の実例からお話いただきました。ただ、現状では「これや!という打開策はなかなかありません」とのこと。
そんな中で、男女の生涯未婚率や家庭内会話頻度の統計をもとに、コロナ以前から各家庭あるいは地域における孤立化は深まってきており、昨今の外出自粛の傾向はさらにその拍車をかけていると分析。先の教勢調査をもとに「湖北は正信偈を知らないご門徒さんがほとんど居られないことをもっと大切にすべき」、また掲示伝道(掲示板)や寺報発行は寺院とご門徒をつなぐ方途として極めて重要であるという結論をお話くださいました。
孤立化しつつあるご家庭が地域にあり得る場合、寺院こそがそのセーフティネットたるべきとして講義を締め括られました。
世帯別会話頻度が居住形態によって大きく異なるという統計